キャンプ&ドライブ日誌
(1)最近のキャンプ&ドライブ日誌(2003年)
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新富士オートキャンプ記
(2003年10月)
【キャンプ場ミニガイド】
新富士オートキャンプ場
・あたりは森林に囲まれ、自然の中にやってきたという気持ちになります。富士山の新5合目へのアクセスも便利。
・場内には露天風呂があり、無料ではいれる。
・焚火には自然と人の輪ができる。ここで竹の筒に入れた燗酒がいただける。子供にはマシュマロ焼きも。
・サイトの広さはそこそこ。サイト脇のコスモスが何とも言えず、秋らしいいい雰囲気を出していました。
<1.コスモスが迎えてくれるキャンプ場〜初日>
前日は早く帰って積み込みを完了させてしまおうという目論見は、残業のためもろくも崩れ去ってしまいました。帰宅したのが12時ちょっと手前、寝たのが1時ちょっと前。翌朝積み込みのために起床したのが5時20分。大変ハードな3連休の幕開けになってしまいました。
今回は、家内、小6の娘に、実家の父を加え、計4人のキャンプです。72歳の父は、自分のキャンプ道具をセダンに積んで、前日から泊まりに来ていました。本当は、アコードワゴンに4人乗って行ければよかったのですが、まだシステムキャリアを装備できていないため父の荷物までは積めず、2台で行くことになっていました。朝5時20分はまだ夜明け前でした。季節の移り変わりを感じました。静かに押し入れを開け、積み込み開始です。アコードワゴンのオートマチックテールゲートは、ボタン1つの遠隔操作でテールゲートの開け閉めと施錠が可能なので、両手が塞がっている時にはなかなか便利です。
6時になり、家内も起きてきました。積み込みが終了したら、さっと洗車です。これは、先代のカローラレビンの時からの儀式のようなもので、遠出をする時は愛車もこざっぱりしていたいだろうという気持ちになってしまうの
です。
さて、朝食を摂った後、7時50分に出発です。
三郷ICより東京外環自動車道を通り、練馬の出口からは環八通りへ、そして東名高速道路というルートを取りました。渋滞が予想される首都高速を外したのですが、東京外環道や環八もやはり渋滞しており、海老名SAを出てようやく快適な高速クルージングを楽しむことができるようになったのでした。天気は曇天です。せっかくの3連休で、しかも直前まで日本晴れが続いていたのに残念でした。しかし、雨にならないだけマシでした。
新富士オートキャンプ場に着いたのは、2時でした。キャンプサイトに咲いていたコスモスがやさしく私達家族を迎えてくれました。キャンプ場は、静岡ナンバーの車を中心に、8割程度埋まっていました。設営が終わると、カフェ・オレで一服です。あたりは森で囲まれ、なかなかいい雰囲気です。
夜になり、雨が本格的になってきました。気温も下がってきました。
でもランタンのやわらかな光に見守られながら、皆で乾杯をすると、あたりは温かい雰囲気になります。やはりアウトドアで食べる食事は、雰囲気たっぷりでおいしいです。メニューは、バーベキューに豚汁。やはり、ちょっと肌寒い時には、熱い汁ものは最高です。
夕食後は、場内の露天風呂に入りにいきました。混んでなく、湯船の中でゆっくり疲れを癒せるありがたさを感じました。風呂から上がると、オーナーさんが焚火をしており、そこで竹の筒で温めた日本酒をいただきました。ほんのりと甘く、おいしかったです。本当にアットホームな雰囲気が感じられるキャンプ場だと思いました。
睡眠不足から急速に疲れが出て来て、皆、8時半には床に就きました。雨音がボツボツとフライシートに当たる音が続きます。前回のキャンプの収納時に、シームテープの剥がれがあったので、シームシーラーと防水スプレーを持って来ていたのですが、フライシートに防水スプレーをかけただけでした。大丈夫かなと思いつつ、眠りに落ちていきました。
<2.富士山でワインディングロードを楽しむ〜2日目>
前日早く寝たので、夜明けとともに目が覚めました。雨漏りは大丈夫かなと天井を見上げると.... 何とフライシートで防ぎきれなかった雨がテントの幕体の屋根にだいぶ溜まっていました!
よく雨漏りしなかったなと、よせばいいのに下から指で触った途端、毛細管現象で、ポタポタと水が落ち始めました。家
内と娘がその雫で目を覚まして、「うわっ、雨漏り!」
私が慌ててタオルで天井を撫でると、毛細管現象は治まりました。でも無気味にも、薄い天井の布には雨がたくさん溜まっています。ボトムも水が染みでており、敷き詰められた銀マットのお陰で何とかなっている状態でした。シュラフの一部は少し濡れていました。
家内が心配して、天気次第では帰った方がよいかもと言い出しました。天気予報をラジオで聴いてみると、晴れたり曇ったり、雨が降ったりと不安定な気象のようです。
しかし、朝食が終わる頃には、晴れ間も見え始めました。
「いい天気になってきたね。このまま帰るのもったいない位だなあ。」
「私も富士山の5合目まで行ってみたいわ。あと、朝霧高原のおいしい牛乳も飲みたいし。」
「じゃあ、テントの防水補修材を持って来ているから、午前中はテントの補修をして、午後から富士山にドライブに行こう!」
テント補修は、剥がれかけたシームテープを全て取り除き、シームシーラーを徹底的に塗っていきます。ボトムも防水力が落ちており、特に立ち上がり部がひどいようなので、限られた防水液をボトムの外周部に重点的に塗りました。
少し濡れたシュラフは、キャンピングコットの上に広げました。日差しが強くなって来たので、すぐに乾きそうでした。天気が崩れることはもはやないだろうと、そのまま富士山ドライブに出発することにしました。
富士山スカイラインは、緑が上まで迫り、まるでトンネルのようです。高度が上がるにつれ紅葉が深まり見事でした。アコードワゴンのしなやかな足回りとしっかりしたハンドリングは、カーブが続くワインディングロードでも、心にゆとりを持って走り抜けていくことができます。
3合目を過ぎたあたりから、霧が濃くなってきました。気温はどんどん下がり、キャンプ場で24度あった気温は14度まで下がっていました。新5合目では、すっかり雲がかかってしまい、その切れ目からわずかに地上が見える程度でした。絶景を期待していた家内はちょっとがっかり。でも雲がダイナミックに流れていく様は、なかなか地上ではお目にかかれず、それはそれでよかったと思いました。
去年心臓のバイパス手術をして、健康を取り戻した父は、こうして富士山の中腹に立てる喜びを語りました。
ところが3合目を過ぎて、そろそろ晴れるだろうと思った雲が、なんと地上も覆っていたのでした。今にも雨が降り出しそうな雰囲気です。
「これはちょっとやばいかも! 急ごう! 干したシュラフが危ない。」
そしてキャンプ場に到着する2分くらい前から、ついに大粒の雨が降り出したのです。
「まあ、本当に天気には泣かされる慌ただしいキャンプだ!」
キャンプ場に着くと、すぐにシュラフをタープの下に入れました。幸いにも、たいしたことないうちに間に合ったのでした。
さて、雨の中、夕食の準備のために、スーパーまで買い物に行くことにしました。その帰り道、雨が止み、まぶしいほどの夕日があたりを照らし始めました。森林を抜けると、木々の間から幻想的な光の筋が漏れていました。
キャンプ場に到着すると、雨にしっとり濡れたサイトは、夕日に照らされてまばゆいほどの緑です。何もかも皆、まるで雨に洗われて輝きを取り戻したかのような光景です。
”そう、こんな風景を感じたいためにオレはキャンプに来たんだよ!” 私は心の中で叫んでいました。
<3.美しい夕暮れ、そして夜中の土砂降り>
夕日に紅く染まった家内がテキパキと肉を切り、野菜を刻んでいきます。
「お〜い、写真を撮るぞ!」というとにっこり笑いました。
ああ、ありがたいかな、いい女房。お陰さまで、こうして平穏で楽しい毎日を送らせてもらっている。
娘にカメラを向けると、「写真はいやだよ!」
幼児期はお父さん子で、喜んでキャンプにも付いて来たものだが、最近は親と一緒にいるところを友達に見られたり、幼児の時のように扱われることをひどく嫌がる。キャンプにもそのうち来なくなるかもしれないなあ。
愛車の写真もパチリ。このコスモスとアコードワゴンの写真は、ホンダホームページのUSERS' VOICEで、「今週のナイスショット」に選ばれました。アコードワゴンって、とても絵になる車。大のお気に入りです。
夜の帳が降り、夜空には星が輝きはじめました。
夕食はカレーでした。露天風呂から上がり、焚火に寄ってみると、皆たくさん集まっていました。竹のお酒をまたいただきました。子供たちはマシュマロ焼きをやっており、自分もよく娘にキャンプではマシュマロを焼いてあげていたなあと懐かしく思い返しました。
サイトに帰ると、家内と娘は寝ていました。父ももう寝るとのこと。私は、ランタンの明かりの下で、吉川英治の「宮本武蔵」を少し読みました。40代になり、やはり迷いが生じています。叶った夢と思いどおりにならない夢。その間で、最近とても心が揺れることが多い。以前のように、まっしぐらに突き進むことができない。そんな心境のなかで、やはり悩みながら進んでいく大河ドラマの宮本武蔵には、心ひかれるものがあります。
次に愛用のMacintosh PowerBookDuo280cを立ち上げました。近年、起動トラブルが起こることも多いのですが、今日は1発で立ち上がりました。このキャンプで感じたことを、簡単にメモっていきます。かなり以前、キャンプでこのDuoを立ち上げてキャンプ日誌を書いた時は、なんとなく会社を思い出してしまって、のんびりした気分が吹き飛んでしまったことがありました。でも、今夜は不思議とそんな気にはなりません。
“さて、今日も早く寝るか”と9時にはシュラフに潜り込みました。
ラジオの天気予報を聴くと、明日の天気はよくないらしい。早めに撤収した方がよさそうだ。まあ、今晩は大丈夫そうだ。そう思いつつ、まどろみの世界に入っていきました。ところが...
「ダダダダダ....」
まるで爆撃のような激しい音で目が覚めました。それはたたきつけるように激しい雨音でした。緊張感が高まります。昼間の防水の補強がうまく働いているかどうか、すぐにランタンを点け、天井に目をこらしました。
とりあえず、天井から雨漏りはまだない。時計を見ると、真夜中の2時頃です。しばらく天井を入念にチェックした後、再び横になりました。それから、雨が弱まり、再び強まりを何回か繰り返しました。2回目の爆撃も何とかしのいだようだ。3回目も何とかしのいだようだ。薄れていく意識の中で、そんな感じで数を数えては、何も起こらなかったとホッとしているうちに再び眠りに落ちました。もし、雨漏りが始まってどうにもならなかったら、リアシートを折り畳んだアコードワゴンの180cmもの荷室に、家内と娘を寝かせるつもりでした。幸いにもそのお世話にはならずに済みました。
3日目の朝、幸いにも雨漏りは逃れました。しかし、やはりフライシートは雨を完全には防げず、テント幕体には雨が溜まっていました。もっと大掛かりに防水処理をやり直さなくてはいけません。
朝の天気予報によれば、午前中は低気圧通過にともない、激しい雨の予想でした。運良く雨は降り出していません。それどころか、青空すら見え始めています。しかし、だまされてはいけない。
私達は、7時半過ぎに朝食を終えると、猛スピードで後片付けを開始しました。撤収が完了したのが9時50分。空は一転して雨が降り出しそうな雰囲気に変わっていました。でも間に合ったのでした。
天気に悩まされ、最後まで慌ただしいキャンプでした。キャンプ場を後にして、30分後、大粒の雨が降り出しました。