キャンプ&ドライブ日誌
(2)昔のキャンプ&ドライブ日誌
2)はじめてのファミリーキャンプ 【茨城県フォンテーヌの森もりや】1994年9月
<いよいよファミリーキャンプはじめるぞ!>
前月、長年の夢だったオートキャンプを友人と2人で体験してから、早く病気療養中のかみさんを連れて、親子3人でファミリーキャンプに行きたいという思いは、日に日に強くなっていった。
かみさんは、膠原病というまだ根本的な治療法の確立されていない難病にかかっている。現在の医学では一生病気とつきあうしかないが、最近では、日中の半分は横になっているものの、何とか家事もそれなりにできるようになってきた。とは言え、十分注意しなければ、すぐ再入院だ。うまく対策を練って、家族そろってのキャンプに行こう! ポイントは、疲労させないこと、紫外線を防ぐこと、寒さを防ぐこと。目的地は、車で40分の近場で、しかも、木々が茂っていて、日除けのタープもいらぬほどといわれる「フォンテーヌの森もりやキャンプ場」に決めた。また、かみさんには、十分睡眠をとってもらうため、日頃使っている敷布団を持っていくことにした。

<天気いまいち、どうしよう>
当日は、秋雨前線の動きが活発で、朝から激しい雨が降ったり止んだりのあいにくの天気となった。1日中雨ならいざしらず、時々程度ということなので、思い切って決行することにした。私の車は、カローラレビンなので、積み込みは一苦労だ。今回目玉の敷布団は、後部座席のシートの上に敷き、3歳の娘には横になってもらった。
12時半に出発し、私の住む千葉県**市から常磐自動車道にのって茨城県にはいり谷和原インターチェンジで降りる。雨の降る前に設営できるようにと、先方の了解をとった上で早目に着いて作業するつもりだったが、途中から雨が降り出してしまった。もし、雨が止みそうになかったら中止するつもりだったが、フォンテーヌの森に着いて20分後、雨が止んだので、チェックインを済ませ、大急ぎでタープの設営から始めた。
タープも含め、全部自分一人で設営したかったが、どうもうまくいかぬため、かみさんにポールを持ってもらった。今度スーパーペグを買ってこなくちゃいけないなあ。そのうち、晴れ間も見えてきた。続々と他のキャンパー達も到着だ。

<幼い娘のお手伝い....う〜ん反省>
設営には、1時間以上かかってしまった。前回、会社の同期の友人と行った時は、ある程度手分けできたが、やはり一人でやろうとすると大変だ。前日の睡眠不足から、もう疲れてしまった。
ほとんど休む間もなく、夕食の準備にはいる。かみさんには、テントの中で寝てもらった。今夜はビーフシチューとサラダがメイン。あとおつまみ用にバーベキューコンロでフランクフルトと焼き鳥を焼くことにした。

ジャガイモの皮をむきはじめると、娘が「みほちゃんが、むいてあげるよ」という。「危ないから、お父さんがやるよ」というと、今度は、切り終わった、たまねぎやら人参やらをいじりはじめた。自分では、混ぜ合わせているつもりらしい。そのうち、「ほら、おっこちちゃった!」 見ると、たまねぎのかけらが地面に落ちている。「ダメだよ、みほちゃん」 でも、なかなかやめず、「またおっこちちゃったよ!」
ウーン...仕方ない。秘密兵器を出してやるか...私はアルミ箔のフライパンで作るポップコーンを出した。「ワーイ」娘は大よろこびだ。ポップコーンをパチパチ言わせながら作ってやると、私はふたたびジャガイモをむきはじめた。同時に、やきとりやフランクフルトの串をバーベキューコンロに載せ、こちらも焼きはじめた。すると、娘が椅子から降りるとぐずりだした。面倒臭くなって無視していると、「ガシャーン!!」 椅子から降りようとテーブルにつかまった娘がバランスを失って、テーブルをひっくりかえしてしまったのだった。せっかくのポップコーンは、食べる前にほとんど地面に散らばった。 「コラッ! ちゃんとしてろ!」疲れているせいもあって、気が短くなっていた私は、どなると、娘をひっぱたいた。 「エーン」 娘は泣きながら、テントの中に引っ込んでしまった。
一人で食事の支度をしながら、自己嫌悪に陥ってしまった。こんな筈じゃなかったのに。折しも、ふたたび雨が降り始めていた。もうちょっと、オレ自身が、大きく構えてなくては。せっかくのファミリーキャンプを自分自身がぶちこわしてしまうぞ! しばらくして、テントの中から娘の声がした。「お父さん、もうできた?」 まだ、すねることを知らぬ、その素直ないつもの口調に、ちょっと救われた気がした。

<雰囲気のある夜>
18時になり、もうあたりは暗やみに包まれた。森のなか、あちこちで、ランタンに燈がともっている。でも、はるかに闇が勝っている。夏場のキャンプ場の喧騒と違い、初秋の森の夜は静かで雰囲気があった。かみさんも喜んでくれた今夜のシチューだが、
味は水の加減をちょっと間違えたか、今一歩だった。食事が終わると、思い切って、早目に寝ることにした。まだ19時半だけれど、この闇と静けさが、自然と寝る気にさせてしまう。不思議だなあと思ったけれど、電気で闇を遠ざけ、夜の10時11時まで働いているほうが、大昔の人から見れば、よっぽど変わっていることなんだろうな。
テントは、レクタングラータープの下に設営したので、直接雨が当たることはなかった。しかし、テントの中で寝てみると、雨の音がぼたぼたと響くもんだ。さあて、眠るか!(しかし..この後、雨の重みでタープが半分つぶれたり、ネコ君がごみをあさりにきたりと、なかなかねむれなかったのでした。 ..というよりは、結局いつもの生活パターンから抜け出せなかった!^^;)

<さわやかな朝>
気持ちよく晴れた朝だった。朝は、スパゲティーにフランスパン。テーブルに着くと、気持ちのよいそよかぜが! ああ、この時を迎えるためにキャンプに来たのだ。しみじみそう思った。ここが、一歩外にでると東京通勤圏内の新興住宅地とは信じがたい。
手軽に自然のなかで食事のできる、大変よいキャンプ場だ。もうちょっとサイトが広いといいけれど。
昨日はあきらめたサウスフィールドのコットを組立て、寝転がる。青空をおおいつくした広葉樹の葉が、風にゆれながら、重なり合いながら、緑のモザイクを作っている。
いいきもちだった。コットの良さは、まさにこんなところにある。
撤収を終えたのが、11時。帰りには、ちかくの保養施設でひと風呂浴びた。

はじめてのファミリーキャンプ、大変さもよくわかった。また、かみさんに無理をかけない範囲でいきたいな。(今回、結局、ちょこまかしたことは、かみさんが手伝ってくれたのだった。大丈夫だろうか ...)